ロスチャイルドとウラン鉱山

【ロスチャイルドとウラン鉱山】
『赤い盾』(広瀬隆 著)より引用。


(前略)わが国の「経済団体連合会十年史」を読むと、「財閥の解体」と題する章には、次のように書かれている。

赤い楯1----昭和21年(1946年)2月に発表された財閥の解体についてGHQの基本的見解は次の通りであった。
1.財閥は日本特有のものであって、他国でこれに類似するものとしては、ロスチャイルド以外にない。しかしロスチャイルドは現在存在しない。
2.・・・・

アメリカが冒頭からロスチャイルドに言及しているこの部分は、彼らの対決意識を想像させる興味深い一節である。では、そのGHQ(連合軍の総司令部)を動かしていたアメリカ最大のモルガン財閥とロックフェラー財閥は存在しなかったのか、と反問したくなる一文だが、アメリカの方式はロスチャイルドや日本の三井・三菱とは違っていたのである。彼らは系図より、むしろ能力と資金に重きを置いてビジネス界を作りあげ、新大陸の若い財閥を形成しはじめていた。ところがロスチャイルドの構造は、これまで示してきた通りである。多くの現象は、数百年の歴史を頭に入れておかなかければ解き明かすことはできない。地球の全史と言うべきものの頂点に立ったのが近代のロスチャイルドだったからである。

このメカニズムを解き明かすには、寝台のきしみ具合いをひとつずつ点検し、そこで生まれる赤児の父親と母親の名前を記録してゆかなければならないので、複雑な3次方程式を理解しておく必要がある。ところが一度この数式をマスターすれば、やはり正確な回答が得られる。GHQはそれを財閥と呼んだものらしい。

そして「ロスチャイルドは現在存在しない」と・・・・

歴史の浅いアメリカ人が指した甘い一手であった。広島と長崎に黒い雨が降った1945年、ロンドン・ロスチャイルド家で最年長となったアンソニーは、カナダに広大な山林の開発権を獲得していた。初代マイヤー・アムシュルから数えて5代目にあたる世代で、ネイサン(私の注:アムシュルの三男でロンドン家初代当主)の血を引いて生き残っていたのは、すでにこのアンソニーと、フランスでラジウム製造所を建設したドクトル・アンリのふたりだけであった。

アンリが前述のように「リオ・チント・ジンク」の創業一族と結婚し、スペインからアフリカまで広大な範囲の鉱山を完全支配していたのに対し、ロンドンの当主となったアンソニー・ロスチャイルドは、フランス人の重要な一族を寝室に迎えていた。パリ・ロスチャイルド家の鉱山会社「ペナロヤ」の創業ファミリー、イヴォンヌ・カーエンが妻だったのである。この女性は本書上巻で、すでに第2次大戦のなかで登場し、'テュッセン男爵とシュレーダー男爵の異様な世界'の系図32に'ユダヤ富豪カーエン家'として記されている人物、つまりユダヤ人救済のため、またナチスを打ち倒すため、イギリスの富豪を結集させたあの女性である。その富豪の富は、鉱山から誕生したものであった。

こうして戦後直ちに、ロンドンとパリが人材を交換する形で、今日のヨーロッパ原子力産業の骨格がほとんどロスチャイルド家の手でつくられた。アンソニーがカナダに買い取った山林の開発権は13万平方キロにおよび、それがわが国の面積の3分の1を超える広さであり、イングランドと同じ面積を支配してしまった。原爆成功のニュースによって原子力産業に突進したのはアメリカ人だけではなかった。アンソニーはこのカナダに、ウランの鉱山を開発する新しい事業に乗り出して行った。「ロスチャイルド財閥は現在存在しない」とは、同じ北アメリカ大陸に住む人間としてあまりに軽率な判断であった。ウォール街の頭のうえで、ロスチャイルドは世界最大のウラン鉱を掘り出していたのである。

いまや全世界の原子力発電のシンボルとなり、日本と全ヨーロッパから放射性廃棄物を集めるフランスと、ロスチャイルド家の鉱山会社の関係は、こうして誕生した。アンソニー・ロスチャイルドの妻カーエン家が創業した「ペナロヤ」とその親会社「ル・ニッケル」(現イメタル)を中心に、傘下にあるウラン・メジャーの「モクタ」などがフランス・ロスチャイルド家の鉱山事業であった。これに対してドーバー海峡の向こうにある「リオ・チント・ジンク」を筆頭に、その子会社の「リオ・アルゴム」がカナダをおさえ、この両社が南アを動かしてナミビアの「ロッシング鉱山」を支配、さらに「オーストラリア鉱業」と通じて3大陸をロンドンからコントロールしたのが、イギリス・ロスチャイルド家であった。

ところがフランスとイギリスの両家は、妻を相互に交換し、重役の席を相互に交換していたため、どちらがどちらとも定義できないウランの国際秘密カルテルを形成し、価格を自由に操作できる状況を生み出してしまった。ウランの3大生産地、カナダ・オーストラリア・南アが一家族の手に落ちたのである。これはオッペンハイマー=ロスチャイルド家のダイヤモンド・カルテル~金塊カルテルと同一のものであった。

しかしカルテルとは、その独占価格を崩す違反者をこの世から消し去ることによって、初めて成功するものである。以上のほかに、ウランの資源国がもうひとつあった。アメリカの西部は、ゴールド・ラッシュからウラン・ラッシュへと時代は移っていた。西部の原爆実験と共に、ユタ州を中心に広大なウラン鉱が次々と発見され、カリフォルニア、コロラド、ネバタなどの各州で掘り出されるウランが、こちらは別の力で糾合されつつあった。

1950年代に大量の核実験がおこなわれ、それと同時に西部では異様な光景が展開した。南アのキンバリー鉱山などでダイヤの利権を求めて労働者が殺到したように、アメリカ西部にカウボーイ・ハットをかぶった男たちが野宿のキャンプを張り、翌朝にはピストルの合図で一斉に走り出し、荒れ地に杭を打ち込んで自分の縄張りを宣言するという狂気のウラン争奪戦がおこなわれたのである。

そこに誕生したのが「ユタ・インターナショナル」を根城とするアメリカのウラン・カルテルであった。これは銅山業者の「ケネコット」と非鉄金属で世界一の「アサルコ」が支配するもので、ロスチャイルド家はこのアメリカン・カルテルと提携することさえ可能ならば、金銀ダイヤと同じように地球全土のウランを掌中に握れるのだ。

アメリカン・カルテルを動かすのは、J・Pモルガンの孫ヘンリー・スタージス・モルガンであった。ところが'赤い楯'は、シティーのモルガン・グレンフェルを通じてウォール街と交渉する方法を敢えて取らなかった。モルガン家と公然たる活動をおこなえば、全世界に手の内を読み取られ、カルテルという秘密行動そのものがライバル業者に防御意識を持たせてしまう。そうなれば、'現在存在しないロスチャイルド'に対してビジネス界が驚き、襲いかかってくであろう。これから買収してゆかなければならない鉱山の値が不当に高くなったり、価格操作が不可能になる。

ロスチャイルド家はどのように行動したのだろう。

何もしなかったのである。何ひとつアメリカ西部に働きかけなかった。ところが今日、アメリカン・カルテルはロスチャイルド家の傘下に入り、地球というボール全体が、リオ・チント・ジンクとイメタルのシンジケート団によって、たった一社のものとなっている。ロスチャイルド銀行が全ウランを動かしている。

このミステリーは、本書の第一章に語ったタイタニック号の物語を記憶されている方には、容易に解けるであろう。ユタ・インターナショナルというウラン・メジャーの支配者は、「ケネコット」と「アサルコ」の両社であった。しかしこの2社の'重役・社長・会長'の要職を占めてきたのが、ハリー・フランク・グッケンハイム、サイモン・グッケンハイム、ダニエル・グッケンハイム・・・・わが'赤い楯'の鉱山王だったからである。ロスチャイルド家がどのような契約を取り交わす必要があるだろう。

この関係は、わが国の官僚にまったく理解されていないようである。日本の外務省経済局がまとめた「70年代における資源外交」と題する分厚い報告書を開くと、「ル・ニッケル」と「アマックス」と「パティーニョ」による鉱物資源の争奪戦争が、くわしく解析されている。国境で分ければフランスとアメリカとボリビアの鉱山業者の争いに見えるが、系図が1枚で描かれていることに、日本の外交官は気づいていないのである。

こうしてアンソニー・ロスチャイルドがカナダに土地を購入すると同時に、ドゴール将軍はフレデリック・ジョリオ=キュリーを初代の長官として、原子力庁を創設した。この原子力庁には、大きな特色があった。公的な機関でありながら、「幹部には自由な活動が認められる」ということを、1945年10月18日の政令によって定めていたのである。ウランのロスチャイルド支配を知れば、これがどれほど危険な政令であったかは言うまでもない。しかもそのときドゴールの右腕となっていたのが、死の商人マルセル・ダッソーとギイ・ロスチャイルドであった。

ジョリオ=キューリーの妻イレーヌ・キューリーも原子力委員に任命され、実働チームのボスとして、アメリカのマンハッタン計画を監督したベラルトン・ゴールドシュミットが任命された。この男が化学部門を担当し、ウランの精製と濃縮など、ロスチャイルド家の事業に直結する世界を完全に支配した。名前はゴールドシュミットだが、ウランシュミットと呼んでもよい存在となった。33歳の若さで最重要ポストを握ったこの人物は、パリのキューリー研究所で助手として育てられ、やがて戦時中にはカナダに派遣されてウランの利権をおさえ、アンソニー・ロスチャイルドの土地買収に貢献してきた。

のちに全世界の原子力産業の頂点に立ち、スリーマイル島の事故のあと国際原子力機関(IAEA)の議長となったウランシュミット、この男がロスチャイルドのウラン・カルテルを完成させた人物であった。IAEA、その名はいまや、生体実験の代名詞として使われるようになった。ソ連のチェルノブイリ事故のあと動き回り、「このような事故はサッカー場の騒動よりも軽微なものだ」と全世界に告げた機関。この秘密組織は、白ロシアをはじめとする広大な範囲で被害が目に見えるようになった1990年、最も危険な汚染地域の住民に放射能測定用のフィルム・バッジを付けさせ、ひそかにこれを回収して、住民にはその結果を教えない。この住民には、死の影が一歩ずつ近づいている状況のなかで、生体実験を続けるIAEA。(後略)

(引用終わり)

まず経団連の「経済団体連合会十年史」にGHQが記したものとして、「ロスチャイルドは現在存在しない」というのが全く意味不明です。仮に世襲制のもとに事業を継続させることを財閥と定義したとしても、そのような血筋に重きをおいて事業を継続している会社はいくらでもあります。しかもロスチャイルドは存在しないどころか世界中の財閥に多大な影響力を及ぼし、世界の覇権者とさえされている財閥です。この「経済団体連合会十年史」の記述に私はロスチャイルドの存在をなくすことによって逆に世界で支配力を拡大させやすくするための企みを感じます。

そして終戦の年にはカナダの広大なウラン鉱山をアンソニー・ロスチャイルドは手に入れる。原子力の原点ともいえる'ラジウムの発見'をキューリー夫妻がした。そのラジウムの製造所をフランス・パリ家のアンリ・ロスチャイルドがつくった。そのアンリは南アとナミビアの地域を中心としてウラン鉱を支配する、と著者の広瀬氏がする「リオ・チント・ジンク」の創業一族と結婚する。一方でアンソニー・ロスチャイルドの妻はパリ・ロスチャイルド家のウラン鉱山会社「ペナロヤ」の創業ファミリーのイヴォンヌ・カーエン。

そのカーエンの「ペナロヤ」の親会社は同じウラン鉱山会社の「ル・ニッケル」(現イメタル)。さらにその傘下にウラン・メジャーの「モクタ」がある。一方リオ・チント・ジンクの子会社「リオ・アルゴム」がカナダをおさえる。アンソニー・ロスチャイルドもカナダのウラン鉱山を手に入れたがそのロスチャイルドの傘下のリオ・チント・ジンクの子会社リオ・アルゴムもカナダのウラン鉱山をおさえた、ということになります。さらにこの両社が南アフリカのナミビアの「ロッシングウラン鉱山」を支配し、「オーストラリア鉱業」と通じてオーストラリアのウラン鉱山も支配するようになった。結果、北米大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸の3大陸のウラン鉱をロスチャイルド一族が支配することとなった。

そしてそのロスチャイルド・ロンドン家とフランス家は妻を相互に交換し、重役の席を相互に交換していたため、どちらがどちらとも定義できないウランの国際秘密カルテルを形成し、価格を自由に操作できる状況を生み出した。つまりウランの価格をロスチャイルドが決めているということになります。

そしてアメリカ西部ではゴールド・ラッシュならぬウラン赤い楯7・ラッシュが起こり、ユタ州に「ユタ・インターナショナル」を根城とするアメリカのウラン・カルテルが出来上がった。このカルテルはロスチャイルドのものではなかった。しかしロスチャイルドはこのカルテルを自分のものにしようとはしなかった。だが不思議なことに、今日では(1995年当時では)アンリ・ロスチャイルドが婚姻関係を結んだリオ・チント・ジンクとアンソニー・ロスチャイルドが婚姻関係を結んだ「ル・ニッケル」(現イメタル)がその「ユタ・インターナショナル」を支配するようになった。

このミステリーの謎解きは、ユタ・インターナショナルの支配者は、「ケネコット」と「アサルコ」の両社であったが、この2社の重役、社長、会長をこれまたアメリカ・ロスチャイルド家のヴィクター・ロスチャイルドの娘アイリーン・ロスチャイルドと婚姻関係を結んだアメリカのウラン鉱山会社「グッケンハイム」の人間が占めていた、というオチだった。だからこのユタ・インターナショナルを支配するためにロスチャイルドは何もする必要がなかった。


そんな中で、第2次大戦後、アルジェリアに進出して、現地の人たちを奴隷のように働かせた自由フランス軍を率いていながら、大戦中ヒットラーがフランスに攻め込んできた時、ロンドンに一目散に逃亡したロスチャイルドの犬でもあるド・ゴールが原子力の原点である'ラジウムの発見'をしたキューリー夫人の娘ムコのフレデリック・ジョリオ=キュリーを初代の長官として、原子力庁を創設した。

この原子力庁というのがロスチャイルドのウラン支配を前提につくられたものであり、公的な機関でありながら「幹部には自由な活動が認められる」ということが政令で定められたものだった。しかもそのド・ゴールの右腕となっていたのが1950年にユダヤ財団理事長に就任したロスチャイルド・フランス家5代目当主のギイ・ロスチャイルドと湾岸戦争で、イラクのクウェート侵攻の際の爆撃機とそれをクウェートが迎撃した同じ爆撃機「ミラージュ」を売り込んだユダヤ人の死の商人マルセル・ダッソーだった。このことをとってみてもいかにロスチャイルドがウラン、原子力、戦争とそれに使われる武器などに深くかかわっているのかが分かります。

そしてキューリー夫人の娘ムコのジョリオ=キューリーの妻までも原子力委員に任命され、さらにはロスチャイルド家創始者のマイヤー・アムシュル・ロスチャイルドの長男アムシュル・マイヤー・ロスチャイルドの本家のドイツ・フランクフルト家の後を、ロスチャイルドと婚姻関係を結ぶことによって継いだゴールドシュミット家のベラルトン・ゴールドシュミットが原子力庁の実働部隊として任命された。

このベラルトン・ゴールドシュミットという男はフランスのパリのキューリー研究所で育てられ、マンハッタン計画(広島・長崎への原爆投下計画)の監督も務め、さらには終戦の年の1945年にアンソニー・ロスチャイルドが手に入れるカナダの広大なウラン鉱山の土地買収に、戦時中は貢献したバリバリのロスチャイルド一族の人間だった。

そしてさらにはこのウランシュミットことベラルトン・ゴールドシュミットは、「このような事故はサッカー場の騒動よりも軽微なものだ」とチェルノブイリ原発事故の後に全世界に告げ、そのチェルノブイリの最も危険な地域の住む人たちを早急に健康被害から守るのではなく、敢えてその危険な地域に住まわせ、生体実験を行い、その実験結果を本人に教えることすらしなかったIAEAの議長までも務めたということです。

この著者である広瀬氏の「赤い楯」のほんの一部分の、この引用文だけをとってみてもいかにロスチャイルド財閥が、戦争、原子力、そしてそれに使うウラン原料に多大な影響力を及ぼしているかがわかります。こうやって調べれば調べるほど、「世界の覇権者はロックフェラーだ!!」とする論説に懐疑的にならざるを得ません。



ロスチャイルドの歴史
http://kabukachan.exblog.jp/25345027/


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by kabu_kachan | 2017-09-12 22:32 | 歴史 | Comments(0)
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